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交通事故

第10回交通事故コラム 交通事故の示談とは何か|流れと注意点をわかりやすく解説

交通事故に遭われた後、保険会社から「示談の提案」が届いて、どう対応すればよいか迷われている方も多いのではないでしょうか。示談という言葉は聞いたことがあっても、具体的に何をどう進めればよいのか、提示された金額が妥当なのか、一度示談してしまったらもう変更できないのか、など不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。

示談は交通事故の解決において非常に重要な手続きですが、知識がないまま進めてしまうと、本来受け取れるはずの賠償金が大幅に減ってしまったり、後から後遺症が出ても補償が受けられなくなったりするリスクがあります。特に、治療が長引いている方や、後遺障害が残る可能性がある方にとっては、示談のタイミングや内容が将来の生活を左右することもあるのです。

今回のコラムでは、交通事故の示談とは何か、示談の流れや進める上での注意点について、交通事故被害者の方にわかりやすく解説します。

交通事故の示談とは

示談の基本的な意味

示談とは、交通事故の当事者同士が、裁判を起こすことなく話し合いによって損害賠償の内容を決定し、事故に関する紛争を解決することをいいます。ほとんどの交通事故では、加害者が加入している任意保険会社が加害者の代わりに示談交渉を行い、被害者との間で賠償額や支払い条件を取り決めることになります。

示談が成立すると、双方が示談書(免責証書とも呼ばれます)に署名し、そこで合意した内容に基づいて賠償金が支払われます。そして重要なのは、一度示談が成立すると、原則として後からその内容を変更したり、追加で請求したりすることができなくなるという点です。そのため、示談は慎重に進める必要があるのです。

示談で決める主な内容

示談で取り決める内容は、事故の状況や被害の程度によって異なりますが、主に以下のような項目が含まれます。

  • 治療費:入院費、通院費、手術費用など
  • 通院交通費:病院までの交通費(公共交通機関やタクシー代など)
  • 休業損害:事故による怪我で仕事を休んだ期間の収入減少分
  • 入通院慰謝料:怪我の治療のために入通院したことに対する精神的苦痛への賠償
  • 後遺障害慰謝料:後遺障害が認定された場合の精神的苦痛への賠償
  • 後遺障害逸失利益:後遺障害により将来得られなくなる収入の補償
  • 物損:車両の修理費や買替費用、代車費用など

これらの項目について、保険会社が提示する金額が適正かどうかを判断することが、示談交渉において非常に重要になります。

交通事故の示談の流れ

事故発生から示談開始までの経過

交通事故が発生してから示談交渉が始まるまでには、一定の期間と手順があります。まず事故直後は、警察への届出と実況見分、病院での診察が最優先となります。その後、被害者は治療に専念し、医師の指示に従って入通院を続けることになります。

北海道や札幌では、冬道のスリップ事故などで思いがけず交通事故に遭われる方も少なくありませんが、雪道での事故であっても、適切に治療を受けることが大切です。特に、むちうちなどの症状は事故直後には現れず、数日経ってから痛みが出ることもありますので、違和感があれば早めに医療機関を受診することをお勧めします。

示談交渉が開始されるのは、原則として治療が終了した後になります。治療が終了するタイミングは、完治した場合もあれば、医師から「症状固定」と診断された場合もあります。症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態のことで、後遺障害の認定手続きに進む分岐点となります。

示談交渉から示談成立までの流れ

治療が終了すると、相手方の保険会社から示談案が提示されるのが一般的です。この提示内容を確認し、納得できれば示談書に署名して示談が成立します。しかし、提示された金額が適正かどうかは、法律知識がないと判断が難しいのが実情です。

示談交渉では、以下のような流れで進むことが多いでしょう。

  • 保険会社から示談金額の提示
  • 被害者側での内容確認・検討
  • 金額や内容に疑問があれば交渉・協議
  • 双方が合意に達したら示談書の作成
  • 示談書への署名・押印
  • 賠償金の支払い

示談が成立してから実際に賠償金が振り込まれるまでには、通常1〜2週間程度かかることが多いようです。

示談交渉における重要な注意点

保険会社の提示額が必ずしも適正とは限らない

交通事故の示談で最も注意すべき点は、保険会社が最初に提示してくる金額は、法的に認められる賠償額よりも低い場合が多いということです。これは、保険会社が「自賠責基準」や「任意保険基準」といった、独自の基準で賠償額を算定しているためです。

一方、弁護士が介入した場合には「裁判基準(弁護士基準)」という、過去の裁判例に基づいた基準で交渉することができます。この裁判基準は、保険会社基準と比較して慰謝料などが大幅に高額になる可能性があり、場合によっては賠償額が2倍以上になることもあるのです。

たとえば、むちうちで3ヶ月通院したケースでは、保険会社の提示額が40万円程度であっても、弁護士基準では70万円を超える可能性があります。後遺障害が認定されたケースでは、その差はさらに大きくなることが考えられます。

示談前に確認すべき重要事項

示談書に署名する前に、必ず以下の点を確認することが大切です。

治療が本当に終了しているかを慎重に判断してください。まだ痛みや違和感が残っているのに保険会社から治療費の打ち切りを打診されることがありますが、医学的に必要な治療であれば継続できる可能性があります。示談後に症状が悪化しても、原則として追加の請求はできませんので、症状固定のタイミングは医師とよく相談して決めるべきでしょう。

後遺障害の認定手続きを済ませたかも重要なポイントです。痛みやしびれなどの症状が残っている場合、後遺障害認定を受けることで後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できる可能性があります。示談を急いで後遺障害の申請をしないまま終わらせてしまうと、本来受け取れるはずの賠償を受けられなくなってしまいます。

過失割合が適切かについても確認が必要です。過失割合は賠償額に直接影響する重要な要素で、保険会社が主張する割合が必ずしも適正とは限りません。事故状況をよく思い出し、ドライブレコーダーの映像や目撃者の証言など、客観的な証拠があれば有利に交渉できることもあります。

示談を急がされても焦らないこと

保険会社から早期の示談を促されることがありますが、焦って応じる必要はありません。特に治療中に示談を求められた場合は要注意です。治療が不十分なまま示談してしまうと、後から症状が悪化しても補償を受けられなくなるリスクがあります。

また、示談書の内容をよく理解しないまま署名してしまうと、後で「こんなはずではなかった」と思っても取り返しがつきません。示談書には専門的な法律用語が含まれていることも多いので、内容に疑問があれば署名前に弁護士に相談することをお勧めします。

示談で困ったときは弁護士への相談を

弁護士に依頼するメリット

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼することで、さまざまなメリットが得られる可能性があります。

まず、適正な賠償額を受け取れる可能性が高まります。前述のとおり、弁護士基準で交渉することで賠償額が大幅に増額されることがあります。また、弁護士は過失割合についても法的な観点から主張できるため、被害者に有利な形で解決できることもあるでしょう。

さらに、保険会社との交渉の負担から解放されるという点も大きなメリットです。事故後の怪我の治療や仕事の調整で大変な中、保険会社との交渉に時間と労力を取られるのは大きなストレスになります。弁護士に依頼すれば、窓口はすべて弁護士となり、被害者の方は治療や生活の再建に専念できます。

後遺障害認定のサポートを受けられることも重要です。後遺障害の認定手続きは複雑で、適切な資料を揃えて申請しないと本来認定されるべき等級が認められないこともあります。弁護士のサポートがあれば、医師との連携や資料の準備もスムーズに進められる可能性があります。

弁護士費用特約の活用

「弁護士に依頼すると費用が心配」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ご自身やご家族の自動車保険に弁護士費用特約が付いていれば、弁護士費用は保険から支払われるため、実質的な負担なく弁護士に依頼できることが多いのです。

弁護士費用特約は、多くの自動車保険に付帯されていますので、一度ご自身の保険証券を確認してみることをお勧めします。特約があれば、通常300万円程度まで弁護士費用が補償されますので、ほとんどのケースで自己負担なく依頼できるでしょう。

おわりに

交通事故の示談は、被害者の方にとって事故の最終的な解決となる重要な手続きです。一度示談が成立してしまうと原則として後戻りできないため、示談書に署名する前に、提示された内容が本当に適正なのかをしっかりと確認することが大切です。

保険会社から示談案が提示されても、すぐに応じる必要はありません。治療が本当に終わっているか、後遺障害の認定は受けたか、過失割合は適切か、賠償額は妥当かなど、一つひとつ慎重に確認してください。少しでも疑問や不安があれば、示談書に署名する前に専門家に相談することをお勧めします。

当事務所では、交通事故被害に遭われた方のご相談を随時受け付けております。初回相談は無料ですので、一人で悩まずにまずはお気軽にご連絡ください。保険会社との交渉や後遺障害認定のサポートなど、経験豊富な弁護士があなたの状況に合わせた解決策をご提案いたします。

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